2009年06月21日
心は正しい目標を欠くと,偽りの目標にはけ口を向けること

Paris, mars 2009
〔…〕景色を美しく見せるためには,茫漠たる空間の中に果てしなく拡がり放しにせず,適当な距離にそれを限定する枠が必要であるのと同じように,
ちょうど風が厚い森に行く手をさえぎられないと虚空に四散して力を失うように,
揺れ動いた心も何かにつかまるものを与えられないと自分の中で踏み迷う。だから,心はいつもぶつかって働きかける対象を与えられなければならない。プルタルコスは尾長猿や子犬を可愛がる人たちについて「われわれの中にある愛の器官が正しい目標を欠くと,空のままではいないで,このように偽りの,むなしい対象をつくり上げる」と言っている。
モンテーニュ『エセー』
Posted by Nomade at 23:43│Comments(0)
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