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Posted by チェスト at

2008年08月31日

体をかわいがる




Kagoshima, août 2008

 スプーンは私をかわいがるのがとてもうまい。ただし,それは私の体を,であって,心では決して,ない。

山田詠美『ベッドタイムアイズ』
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タグ :山田詠美


Posted by Nomade at 06:35Comments(0)

2008年08月30日

言葉にできない空間




Paris, mars 2008

今わたしが心を突き動かされているのは,言葉そのものによってなのだろうか,その向こうに透けている,言葉にできない空間によってなのだろうかと,混乱に陥ることがある。

小川洋子「輪郭と空洞」in『妖精が舞い下りる夜』
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タグ :小川洋子


Posted by Nomade at 11:21Comments(0)

2008年08月27日

想像力(寺山修司)




Kagoshima, mai 2008

どんな鳥だって
想像力より高く飛ぶことはできない
だろう

寺山修司「事物のフォークロア」in『ロング・グッドバイ』
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タグ :寺山修司


Posted by Nomade at 08:49Comments(0)

2008年08月18日

人間は恋と革命のために生まれて来たのだ




Paris (Place de la République), mars 2008

 
あれから十二年たったけれども,私はやっぱり更級日記から一歩も進んでいなかった。いったいまあ,私はそのあいだ,何をしていたのだろう。革命を,あこがれた事もなかったし,恋さえ,知らなかった。今までの世間のおとなたちは,この革命と恋の二つを,最も愚かしく。いまわしいものとして私たちに教え,戦争の前も,戦争中も,私たちはそのとおりに思い込んでいたのだが,敗戦後,私たちは世間のおとなを信頼しなくなって,何でもあのひとたちの言う事の反対のほうに本当に生きる道があるような気がして来て,革命も恋も,実はこの世で最もよくて,おいしい事で,あまりいい事だから,おとなのひとたちは意地わるく私たちに青い葡萄だと嘘ついて教えていたのに違いないと思うようになったのだ。私は確信したい。人間は恋と革命のために生まれて来たのだ
 すっと襖があいて,おかあ様が笑いながら顔をお出しになって,
「まだ起きていらっしゃる。眠くないの?」
 とおっしゃった。
 机の上の時計を見たら,十二時だった。
「ええ,ちっとも眠たくないの。社会主義のご本をよんでいたら,興奮しちゃいましたわ。」
「そう。お酒ないの?そんな時には,お酒を飲んでやすむと。よく眠れるんですけどね。」
 とからかうような口調でおっしゃったが,その態度には,どこやらデカダンと紙一重のなまめかしさがあった。〔強調作者〕

太宰治『斜陽』
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タグ :太宰治


Posted by Nomade at 17:22Comments(0)

2008年08月11日

男女の肉体関係と小説




Lyon, mars 2008

 男女のセックスというのは,自然で,本能的で,ありふれていて,誰にでも一応の理解はできる。だからこそ,道徳の手垢にまみれている。ある男女が,できているかできていないか,肉体関係のあるなしで判断したりする。そんなふうにセックスが道徳的価値基準の物差しに使われたりすると,物書きとしてはつまらなくてうんざりしてしまう。そこで男や女,肉体や生殖,本能や道徳に惑わされない,もっとデリケートな人間の関係を探ってみたいという気持ちから,小説を書いている。

小川洋子「よりデリケートな人間関係」『妖精が舞い下りる坂』より
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タグ :小川洋子


Posted by Nomade at 00:35Comments(0)

2008年08月07日

そもそもブログとは何か...




Kagoshima, juillet 2008

〔...〕重要なのは,ブログはこにとっての大きな知的成長の場であるということだ。fladdict.net blogの「知的生産性のツールとしてのブログ」という文章がある。ブログを書き続けることによる自らの成長がこんなふうに書かれている。
「実際ブログを書くという行為は,恐ろしい勢いで本人を成長させる。それはこの一年半の課程で身をもって実感した。(中略)ブログを通じて自分が学習した最大のことは,「自分がお金に変換できない情報やアイデアは,溜め込むよりも無料放出することで(無形の)大きな利益を得られる」ということに尽きると思う。」
〔...〕
情報は囲い込むべきものという発想に凝り固まった人には受容しにくい考え方であろう。しかし,長くブログを書き続けるという経験を持つ人たちにとっては,実感を伴って共感できる内容に違いない。ブログという舞台の上で知的成長の過程を公開することで,その人を取り巻く個と個の信頼関係が築かれていくのである。(pp. 164~5)

梅田望夫『ウエッブ進化論:本当の大変化はこれから始まる』東京:筑摩書房, 2006, 249 pp.
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タグ :梅田望夫


Posted by Nomade at 08:09Comments(0)

2008年08月06日

制度論:どうして中高生は扱いが難しいのか




Bastide, mars 2007

〔...〕中等教育は,①高等教育への準備教育,②職業生活に直結する実学的教育,③完成市民教育という三重の役割を担うことになった。この三重の課題をどのように調整し,効果的に実現するかという課題は,学校教育が拡大した現代産業社会において中等教育に課されている 〔...〕難しい課題である。
〔...〕しかし,中等教育の課題の難しさは,これにとどまらない。中等教育は,主として第一の役割,すなわち進学準備教育という役割を中核にして,学校教育システムの選抜・振り分けという機能を集中的に担っている。しかも,この機能は,中等教育が拡大し,進学準備教育,実学的教育,完成市民教育という三つの役割をになうシステムとして発展するにつれて重大で難しいものとなる。どの時点で,何を基準にして,どのような方法で,選抜・振り分けを行うのかということが重要な社会的な関心事となるからである。しかも,この社会的関心は,機会の平等や選抜の公平性にかかわる関心と,選抜の妥当性・適切性にかかわる関心と,わが子や教えが実際にどうなるかという個別的関心との間で引き裂かれている。さらに,三つのタイプの教育の間の格差や序列,学校間の格差や序列が重要なものとして意識されればされるほど,その選抜・振り分けに対する関心が強まり,その選抜・振り分けを生き抜くための競争,受験競争が激化することとなる。(pp.94-95)
藤田英典『教育改革:共生時代の学校づくり』東京:岩波書店,1997年,256 pp.
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タグ :藤田英典


Posted by Nomade at 12:48Comments(0)