2013年04月08日

残された私の手

残された私の手


Paris, mars 2008


景色にならないうちに,と
一六歳の女は草の中で
此の世の坂を下るべく手をはなした
残された私の手は
味覚をえらべない型通りの夏痩せ
花を得ればしばらくで
きっと誰かの手に落ちる


荒川洋治「懐かしんで」in『あたらしいぞわたしは』(『荒川洋治詩集』)





タグ :荒川洋治


Posted by Nomade at 09:07│Comments(0)
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