2011年07月07日
近づき,知る
Kagoshima, février 2010
人々は律法を実践し,聖書を学び,神殿での祭祀を実行することによって,神に近づき,神を知ることができると信じていた。ところがナザレの大工が現れて,新しい契約の神が人間的関係の中に,個人の自由の内奥に現れようとしているのを見抜いた。かくも肉をそなえ,「あらゆる神々の中で最も人間的」(ジャン・ヴァール)なこの神は,神の国の到来を告げた当の人の中に存在していたのではないだろうか。人々が信頼と祈りをもって神に,それもどんな神よりも愛にあふれた神に向かうように彼の方をむいた日,この最後の一歩は踏み越えられた。
ジェラール・ベシエール『イエスの生涯』
Posted by Nomade at 22:22│Comments(0)