2009年12月15日
なつかしい人の木
Kagoshima, novembre 2007
「Under the Tree」
そこではいつも対訳のように
静かに雨は降り始めた
未婚のたましいがゆれている
多年草の草地には
いつか美しく呼び捨てにされた
一本の木がたっている
(すこし,ふとりましたよ)
すずしい話し声も聞こえて
それは なつかしい
ひとの木,と呼ばれた
(あ,まみむめも あなたをすき)
しかられた子供がやってくる
年子の姉妹もやってくる
under the tree
木の下で
小池昌代「Under the Tree」in 『小池昌代詩集』(『青果祭』)
Posted by Nomade at 20:12│Comments(0)