2009年11月27日
女子のからだ
Saint-Sève, mars 2008
「傘を持つのはどうだろう」
女子のからだが移ってくる
噛んでいたものをはなして来たのだ
自分の背丈をのこして
休む気になれない
もうずっとむこう
マッチケースのむこうの
アルミサッシのうえで
青いカバンのからだが浮いている
ほんとうに浮いているみたいだ
動かないのよ足場が去っても
糸のように
流れるんじゃないよ
雨
雨が降っても
周五郎の一行を出すんじゃないよ
それよりも傘を
ひらくなら
いいかたちに
かたちに
仔牛と仔犬の流れる街だ
こんな日には
女子から遠くはなれて
ニューズに
会いにいくのもいい
それにわからないことだらけだ
晴れてきても
傘をいいかたちに
いいかたちに
だ
荒川洋治「傘を持つのはどうだろう」in『荒川洋治詩集』（『あたらしいぞわたしは』）
Posted by Nomade at 22:03│Comments(2)
この記事へのコメント
寺山修司さんを
リクエストしてもいいですか？
もちろん気のむいた時で・・・
リクエストしてもいいですか？
もちろん気のむいた時で・・・
Posted by すい at 2009年11月28日 18:38
―すい殿
了解でございます。
昔は，ちょっとした大学の界隈に「天井桟敷」なる飲み屋とか喫茶店があったものですが... 今はどうなんでしょうか？
ご注文ありがとうございました！
了解でございます。
昔は，ちょっとした大学の界隈に「天井桟敷」なる飲み屋とか喫茶店があったものですが... 今はどうなんでしょうか？
ご注文ありがとうございました！
Posted by Nomade at 2009年11月30日 10:07
