Nomade
2009年08月16日 23:33
「もし,よかったら,あさっての,夜八時,中庭のプールに来ないか。あそこから眺める夜の海は,きれいだよ。たまには。公衆電話の前を離れるのも,いいと思うんだ」 大切なガラス細工を一つ一つ並べてゆくように,彼は誘いの言葉を丁寧に発音した。そして,テーブルに誰かが残していったパンのかけらを,粉にして落とした。茶色い小鳥たちが,わたしたちの足元に舞い降りてきた。